日本酒とは?
日本酒はご存知のようにお米で造られたお酒ですが、その造り方、種類、種類による
香りや味の違いやその特徴、原料米などなど・・・・・・・・
実はあまりよく知られていないように思います。
そんなこと知っておく必要あるの?おいしいかおいしくないかで良いのでは?
でも、やっぱりワインと同じで、ある程度知っておくほうが、便利で、おいしく、楽しい
思いができるのではないかな?と思います。
特に日本酒の種類に関しては知っておいていただいたほうが良いと思います。
というのは、同じ日本酒といっても種類によって味や香りはもちろんのこと、冷(ひや)
で飲んだ方が良いのか、熱燗しても良いのか、など、大きく異なった特徴を持って
いるからです。
例えていえば赤ワインと白ワインの違いほど、考えようによれば、それ以上の違い
があるかもしれません。
そんな日本酒の種類は原料や製法の違いによって分類されます。
だから、ある程度日本酒の造られ方も知っておく必要があります。
日本酒の製造工程
酒の原料は基本的には米と水。まず米のデンプンを糖に変えます。【糖化】
その糖をアルコールに変えて日本酒は出来あがります。【アルコール発酵】
精米・・・・・米の表層部分のタンパク質や脂肪を削り取る作業。
↓
洗米・・・・・米に付着した糠(ぬか)を取り、水分を吸収させる作業。
↓
浸漬・・・・・米の含有水分を調整する作業。
↓
蒸米・・・・・蒸すことにより、米の中のデンプンを分解されやすい形にする。
(じょうまい) 同時に熱にる殺菌が行われる。
麹造り・・・・・【糖化の工程】蒸米を麹室と呼ばれる密室に引き込み、種麹を振りかけ
↓ 蒸米の一粒一粒に麹菌を植え付け、繁殖させる。
蒸米に取り付いた種麹はその菌糸を蒸米の中に食いこませ、デンプン
を糖分に変える。
心白のある酒造好適米は細胞組織がやわらかいため菌糸が食いこみ
やすく、それだけ糖化も順調に進む。
もと造り・・・・もとは酒母ともいわれ、糖をアルコールに変える働きをする酵母の
↓ 培養液。
酵母は糖分をアルコールに変えるだけでなく、酒質に大きな影響を
与えます。どんな酵母を使うかにより、香味は大きく変わってしまう
ので、原料米と並んで重要な要素となります。
もろみ仕込・・もとをベースに、麹と蒸米と水を加えて造られます。
(造り) この時、麹が米のデンプンを糖化するのと、
↓ 酵母が糖をアルコールに変える過程が同時に進行します。
この同時発酵は世界の酒類にはみられない日本酒独自の造り方です。
このもろみ仕込みに使う蒸米を掛米と言います。つまり蒸米は、麹をつくる麹米、
酒母をつくる酒母米、そしてもろみの掛米と、三通りに使われ、その比率は、
麹米20〜23%、酒母米7%、掛米70〜73%。
掛米の量が7割を占めるため、麹米、酒母米には酒造好適米を、掛米には値段の
安い一般米を使うことが多くなりますが、高級酒の場合は、使用する米全部を酒造
好適米にします。
この掛米は三回に分けて仕込みます。一回目の投入量を1とすると、二回目は倍
の2、三回目は4、というように量を増やしながら仕込んでいきます。
これを三段仕込みといいます。
仕込みには4日かかり、20日から30日かけて発酵を完了します。
次の搾りの工程に先立ち、その前日、あるいはその日の朝に普通酒の場合は
醸造アルコールや調味液が添加されます。
※醸造用アルコールは澱粉や廃糖蜜など、糖を含む物質を原料とし、醗酵に
よって醸造されたアルコールです。
添加量は総米(使われた全ての米)の15%〜200%と、お酒によって大きく異なり、
また、蔵元によって、この工程に対する考え方も、大きく異なっています。
本醸造には総米の10%以下の醸造アルコールが添加されます。
吟醸酒にも添加されますがこの場合は極少量。様子を見ながら慎重に行われます。
※吟醸酒、大吟醸酒では、防腐効果と香味調整のために極少量の醸造アルコール
が添加されます。純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒には醸造アルコールは
一切添加されません。
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上槽・搾り・・・・・もろみを酒と酒粕に分ける工程。
↓ 搾りは機械で行われる場合と槽(ふね)とよばれる昔ながらの搾り器で
行われる場合があり、とても高級なお酒は槽を使った搾りが行われます。
槽を使った搾りでは、もろみを酒袋とよばれる布の袋に入れて、槽の中に
積み込みます。
もろみを詰めた袋の自重で、最初に出てきた酒が「荒走り」、
一昼夜積み上げた酒袋の重さで自然に垂れて出てきた酒が「中取り」、
酒袋に圧力をかけて搾った酒を「責め」または「押切り」といいます。
それらはそれぞれ別のお酒として製品化されます。
滓引き(おりびき)
↓ 搾った酒のにごりを沈殿させて抜き取ります。
濾過(ろか)
↓ タンクに活性炭素を入れて酒の雑味や色を吸着させ、その後、濾過機に
かけます。
火入れ・・・生酒として出荷されるお酒と生貯蔵されるお酒を除くすべてのお酒が、
↓ 65〜70℃に加熱され、殺菌されます。
貯蔵・熟成
↓ 貯蔵・熟成により、お酒のバランスが整い、まろやかになります。
飲み頃の状態にします。酒質により期間は異なります。
【炭素濾過】やや黄色がかったお酒を、炭素を使い、より透明な状態にします。
お酒や蔵元により、行う場合と行わない場合があります。
【割り水】火入れの前に水を加えアルコール度を調整します。
割り水しないお酒が原酒となります。
火入れ・・・瓶詰め直前に二回目の火入れが行われます。これにより完全に殺菌
↓ されます。これを行わないお酒は常温保存はできません。
こうしたお酒は生酒、あるいは生詰と呼ばれ、冷蔵保存が必要です。
一回目の火入れを行わず、ここで初めて火入れされたお酒が生貯蔵酒
で、このお酒は常温での保存が可能になります。
瓶詰め・・・瓶詰め、ラベルを貼り、出荷となります。
↓ 瓶詰め状態で低温庫(5℃以下)に長期保存する古酒もあります。
出荷
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